
こんにちは、大阪の社会人ロックバンド「The Third Glow」スタッフです。
「社会人になったら、バンドは続けられないのかな」
「仕事が忙しくて、練習時間が取れない」
「メンバーの予定が合わなくて、スタジオに入れない」
そんなふうに感じたこと、ありませんか?
学生時代は週に何回も練習できたのに、社会人になると平日は仕事で疲れて、週末も予定が詰まっている。メンバー全員のスケジュールを合わせるだけでも負担に感じる日がある。気づけば、練習もライブもできないまま時間が経っていく。
「やっぱり社会人になったら、バンドは難しいのかな」と思う瞬間は、誰にでもあります。
でも、社会人バンドの両立は、気合や根性だけの問題ではありません。ポイントは「どうやって続けるか」を設計することです。ここを意識すると、同じ状況でも見え方が変わってきます。
やり方を少し変えるだけで、両立がラクになることがあります。完璧を目指さなくても、自分たちのペースで続けられる形はつくれます。続け方は、ひとつじゃありません。
今回は、仕事とバンドの両立について、現実的な考え方を整理してみたいと思います。
まず、なぜ社会人になるとバンド活動が難しく感じるのか、その理由を整理してみます。
社会人になって減るのは、時間だけではないと感じる人が多いです。
仕事で一日働くと、体力が残っていない日もあります。平日の夜にスタジオに入るのは、想像以上にハードです。週末も、疲れを取るために休みたい。そういう体力的な問題が、じわじわ効いてきます。
それから、予定を合わせるのが難しくなりやすいです。学生時代は、授業が終わったら集まれました。でも、社会人になると、残業があったり、出張があったり、シフト制だったり。メンバー全員が同じタイミングで集まれる日を見つけるのが、現実的に大変になります。
さらに、気持ちの余白も減りがちです。仕事のストレスや、プライベートの予定。そういうものに追われていると、「バンドのことを考える時間」すら取りにくくなることがあります。やる気の問題というより、頭の空き容量の問題に近いかもしれません。
時間、体力、予定、気持ち。この4つが同時に削られていくのが、社会人バンドの両立が難しく感じる理由です。
両立が難しいと感じるとき、多くの人が「週の運用」を心配します。週に何回練習できるか、平日の夜に集まれるか。そういうことです。
でも、実際に詰まりやすいのは、月単位のイベントの衝突です。
ライブの日程と、仕事の繁忙期が重なる。新曲を作りたいのに、家族の予定が入る。リハーサルの日に、急な出張が決まる。そういった「月のイベント」がぶつかると、一気に両立が難しく感じられます。
週の運用は、ある程度柔軟に調整できることもあります。でも、月単位のイベントは、一度決まると動かしにくい。だからこそ、そこを先に整理しておくと、見通しが立ちやすくなります。
社会人バンドの両立は、「3つの設計」から考えると整理しやすくなります。
一つ目は、時間の設計です。
「いつ練習するか」を、先に決めておく。毎週何曜日、月に何回、どの時間帯。そういうことを、メンバー間で共有しておくと、調整がラクになります。
時間の設計がないと、「今度いつ練習する?」という調整が、毎回発生します。それが積み重なると、調整そのものが疲れる原因になります。忙しい時期ほど、ここで止まりがちです。
逆に、時間の設計があれば、「次は何日だね」とすぐに決まります。調整の手間が減るだけで、両立の難易度はぐっと下がります。
二つ目は、体力の設計です。
社会人バンドで気をつけたいのは、燃え尽きてしまうことです。無理をしすぎて、疲れて、音楽が楽しくなくなってしまう。そうなると、続けにくくなります。続けたい気持ちがある人ほど、ここで折れてしまうのがもったいないです。
体力の設計とは、「無理をしないペースを決めること」です。
月に何回なら無理なく練習できるか。ライブの頻度はどれくらいが自分たちに合うか。仕事が忙しい時期は、ペースを落としていいのか。そういうことを、事前に決めておく。
燃え尽きないことは、長く続けるための大前提です。短距離走じゃなく、長距離走として考えるのがポイントです。
三つ目は、コミュニケーションの設計です。
メンバー間の温度差、予定の調整方法、連絡の頻度。こういったことを、曖昧にしておくと、後ですれ違いが起きやすくなります。
「もっと練習したい」と思っている人と、「今のペースで精一杯」と思っている人。その温度差を、放置しておくと、関係性が難しくなることがあります。悪気がないぶん、ズレが静かに広がってしまうんですよね。
コミュニケーションの設計とは、「話し合う場を作ること」です。
定期的に、お互いの状況を共有する。困っていることを言い合える雰囲気を作る。それだけで、両立は続けやすくなります。大きな会議じゃなくて、短い確認でも十分です。
この3つの設計を、先に整えておく。それが、社会人バンドの両立を考える一つの入口になります。
社会人になると、練習時間が取れないのは、よくあることです。学生時代と同じペースを維持しようとすると、無理が出やすくなります。
「バンドは週1回練習するもの」という固定観念を、一度外してみるのも一つの方法です。
社会人バンドの中には、月1回しかスタジオに入らないバンドもあります。それでも、続いています。ライブもやっています。実際、頻度より「どう積み上げるか」の方が大事だったりします。
毎週スタジオに入らなくても、バンドは成り立ちます。大事なのは、頻度ではなく、「集まったときの密度」です。
スタジオに集まる頻度が少なくても、個人練習をしっかりやっておけば、集合練習の密度は上がります。
自宅で自分のパートを練習しておく。デモ音源を共有して、事前に曲を覚えておく。クリック音源や動画を使って、個人で音を合わせる練習をしておく。
そういう準備をしておけば、スタジオに集まったときに、すぐに音を合わせやすくなります。結果として、限られた時間でも前に進みます。「集まる回数」を増やせないなら、「集まった1回の価値」を上げる発想です。
個人練習と集合練習を、うまく組み合わせる。それが、社会人バンドの現実的な回し方の一つです。
練習頻度を決めるとき、「週に何回」ではなく、「月の目標から逆算する」という考え方もあります。
今月はライブがあるから、月3回はスタジオに入りたい。来月は予定がないから、月1回でもいい。そんなふうに、柔軟に調整する。
月の目標が決まれば、そこから逆算して、いつ練習するかを決めやすくなります。固定的に「週1回」と決めるより、現実的に回しやすい場面は多いです。
社会人バンドでよく聞く悩みが、「メンバーの予定が合わない」ことです。
予定を合わせる方法には、いくつかの選択肢があります。
一つは、「固定曜日」にする方法です。「毎月第1・第3土曜日」のように、先に曜日を決めておく。そうすれば、メンバーがその日を空けておきやすくなります。予定を「取る」のではなく、「守る」感覚に近いです。
もう一つは、「月次で先に確保」する方法です。月初めに、翌月の予定を確認し合って、練習日を先に決めておく。そうすれば、他の予定を入れずに済みます。
どちらの方法が合うかは、メンバーの生活スタイルによって違います。大事なのは、「どちらかの方式を決めておくこと」です。毎回ゼロから調整しないだけで、負担はかなり減ります。
メンバーの予定が合わないとき、すれ違いが起きやすいポイントがあります。
温度差です。「もっと練習したい」と思っている人と、「今のペースで精一杯」と思っている人。その温度差が、気持ちのすれ違いにつながることがあります。どちらが正しいではなく、置かれている状況が違うだけ、というケースも多いです。
決め方です。「誰が決めるのか」「どうやって決めるのか」が曖昧だと、調整が進みにくくなります。決まらない時間が増えるほど、モチベーションも落ちやすいです。
連絡頻度です。LINEで毎日やり取りするのが負担な人もいれば、こまめに連絡がないと不安な人もいます。ここも「正解」を揃えるより、「うちのやり方」を決める方がラクです。
こういったポイントを、先に言語化しておくと、すれ違いを減らしやすくなります。「お互い、どう思ってる?」という確認を、定期的にする。それだけで、関係性が安定しやすくなります。
仲がいいメンバー同士ほど、こういったことを曖昧にしがちです。「言わなくてもわかるだろう」と思ってしまう。
でも、社会人になると、それぞれの生活環境が違います。仕事の忙しさも、家庭の事情も、価値観も違う。だからこそ、言葉にして確認し合うことが、関係を保つために効いてきます。
仲がいいからこそ、現実的に整える。それが、長く続けるコツの一つです。
社会人バンドは、常に同じペースで活動する必要はありません。
バンド活動には、波があっていいです。
平常運転期は、月1回のペースでゆったり練習する。制作期は、新曲を作るために、少し頻度を上げる。ライブ前集中期は、週1回ペースで練習する。
そんなふうに、時期によってモードを切り替える。それが、社会人バンドの現実的な続け方の一つです。
常に全力でやろうとすると、息切れしやすくなります。でも、波を作ることで、メリハリがつきます。集中すべき時期に集中できて、休む時期に休める。これが、結果的に「続く」につながります。
仕事が忙しい時期に、無理にバンド活動を詰め込むと、どこかで負担が大きくなります。
「今月は仕事が忙しいから、バンドはお休み」。そういう選択も、ちゃんと前向きな判断です。止めることではなく、「続けるために整える」ことだと思います。
無理をしないことが、長期的に続けるための条件です。一時的にペースが落ちても、また戻ってくればいい。その柔軟さが、社会人バンドには必要です。
バンド活動のために、仕事の予定を調整したい。そう思ったとき、どうすればいいでしょうか。
仕事の予定を調整するために効いてくるのは、「信頼残高」です。
普段から業務をしっかりこなしている。納期を守っている。周囲と良好な関係を築いている。そういう「信頼残高」があると、「この日、休みたいんですが」という相談が通りやすくなります。
逆に、普段から業務が遅れがちだと、調整は難しくなりやすいです。相談自体が通りにくくなることもあります。
バンド活動のために仕事を調整したいなら、まず仕事側で信頼を積むこと。それが、遠回りのようで、いちばん確実な方法です。
仕事の調整で効くのは、小手先のテクニックではありません。
前倒しで仕事を進めておく。周囲に予定を共有しておく。段取りを組んでおく。そういう地道なことが、調整を可能にします。
「ライブがあるので、この週は忙しくなります」と事前に伝えておく。「その前の週に、前倒しで進めておきます」と宣言しておく。そういう姿勢があると、周囲も協力してくれやすくなります。
テクニックより、誠実さと段取り。それが、仕事とバンドを両立させるための現実的な方法です。
社会人バンドをやっていると、「これって副業になるの?」と気になる人もいるかもしれません。
バンド活動が副業に当たるかどうかは、会社の就業規則によって違います。
ライブでチケット代をもらう、音源を販売する。そういった収益が発生する活動は、副業と見なされることがあります。
ただし、趣味の範囲で、収益を目的としていない活動なら、副業に当たらない場合もあります。
まずは、自分の会社の就業規則を確認してみると安心です。不明な場合は、人事に相談するのが確実です。必要以上に怖がらず、「確認の仕方がある」と知っておくだけでも、気持ちは軽くなります。
バンド活動には、お金が動きます。
スタジオ代、機材費、ライブハウスのチケットノルマ。そういった出費があります。逆に、チケット代や物販で収入が発生することもあります。
収益を目的としていなくても、結果的にお金が動く。その事実を認識しておくことが、一つの安心材料になります。
大きな収益が出た場合は、確定申告が必要になることもあります。そういった基本的な知識を持っておくと、不安が減ります。
この記事は法律の専門的な解説ではありませんが、「確認する観点がある」ということを知っておくだけで、変に構えなくて済む人もいると思います。
社会人になったら、バンドは続けられないのか。そう思う必要はありません。
続けている人はいます。私たちもその一人です。ただし、学生時代と同じやり方では、難しく感じることがあるのも自然です。
大切なのは、「続け方を設計すること」です。
時間、体力、コミュニケーション。この3つを意識する。練習頻度を柔軟に調整する。メンバーの予定を合わせる仕組みを作る。ライブの時期だけモードを切り替える。仕事側で信頼残高を積む。
両立は、才能や根性の問題ではありません。設計で改善できます。やり方を変えれば、続けやすくなります。
それに、「全部やる」必要はありません。忙しい時期はペースを落としてもいいし、季節で優先順位が変わってもいい。自分たちの生活に合う続け方を見つけることが、長く続けるコツです。
社会人でもバンドは続けられる。続け方は、選べる。
その選択肢があることを、知ってもらえたら嬉しいです。少し気持ちが軽くなって、「次の一歩」を考えられるようになったら、それだけで十分だと思います。
大阪を拠点に活動する、社会人ロックバンド The Third Glow のスタッフです。
社会人になっても音楽を続けたい方や、バンド初心者の方に向けて、スタッフ目線でコラムを発信しています。
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