
こんにちは、大阪の社会人ロックバンド「The Third Glow」スタッフです。
「軽音部に興味があるけど、アニメや漫画みたいな感じなのかな」
「憧れてるけど、現実は違うって聞くし…」
「アニメがきっかけで軽音部に入るのって、どうなんだろう」
そんなふうに考えている人、けっこう多いんじゃないでしょうか。
軽音部を題材にしたアニメや漫画って、キラキラしていて、青春していて、音楽が鳴り響いていて、すごく魅力的ですよね。「自分もこんなバンドやってみたい」って思わせてくれる。でも同時に、「現実はそんなに甘くない」とか「アニメとは違う」っていう声も聞こえてきて、一歩踏み出すのをためらってしまったり。
今回は、軽音部を題材にしたアニメや漫画と、実際の軽音部について、少し整理してみたいと思います。これは「現実を突きつける」記事ではなくて、憧れと現実の間で、自分なりの楽しみ方を見つけるヒントになればいいなと思っています。おすすめの作品も紹介しながら、それぞれの魅力や、描かれている軽音部の姿についても触れていきます。
軽音部やバンドを題材にしたアニメ・漫画は、昔からずっと人気があります。
その理由の一つは、音楽が持つ普遍的な魅力だと思います。楽器を弾く、歌を歌う、仲間と音を合わせる。そういう行為には、言葉にできないワクワク感があって、それが物語を通して伝わってくる。音が鳴る瞬間の高揚感、ライブで観客と一体になる感覚。そうした体験を、アニメや漫画を通して追体験できるのは大きな魅力です。
それから、青春というテーマとの相性もいいんですよね。学生時代の仲間、部活、文化祭、初めてのライブ。そういうシチュエーションは、誰もが共感できるし、憧れる要素がたくさん詰まっています。音楽を軸にした青春ストーリーは、見ている人の心を動かす力があります。
アニメや漫画の中の軽音部は、理想化された世界です。でも、その理想があるから、「自分もやってみたい」って思える。憧れることで、一歩踏み出せる人もたくさんいます。
軽音部を題材にした作品が人気なのは、ただ「音楽がかっこいいから」だけじゃなくて、「音楽を通じて何かを手に入れる、何かと出会う」っていう体験そのものに、多くの人が惹かれているからなのかもしれません。
軽音部を題材にしたアニメや漫画には、いくつかの共通する「理想」があります。
まず、仲間との関係性です。バンドメンバーは、音楽を通じて深い絆で結ばれていて、一緒に練習して、一緒に成長して、ときにはぶつかり合いながらも、最終的には分かり合える。そういう理想的な人間関係が描かれていることが多いです。
それから、成長のドラマです。最初は楽器も弾けなかった主人公が、努力や経験を重ねて、少しずつ上達していく。そして、ライブで観客を感動させたり、大きな舞台に立ったり。そういう「成功」が、明確に描かれています。挫折を経験しても、最後には報われる。そんな物語の構造が、見ている人に希望を与えてくれます。
音楽そのものの描かれ方も、理想的です。演奏シーンはかっこよくて、音が鳴った瞬間に世界が変わるような演出があって、音楽の持つ力が強調されています。「この曲を演奏したい」「こんなふうにステージに立ちたい」と思わせる力が、作品の中にはあります。
こうした「理想の世界」は、現実とは違うかもしれません。でも、その理想があるから、「自分もこうなりたい」「こんな体験がしてみたい」って思える。憧れることは、何かを始める大きなきっかけになります。理想を否定する必要はなくて、むしろその理想を大切にしながら、自分なりの形を見つけていけばいいんじゃないでしょうか。
じゃあ、実際の軽音部はどうなのか。正直に言うと、アニメや漫画で描かれるほどドラマティックではないことが多いです。
練習は地味です。同じフレーズを何度も繰り返したり、音を合わせるのに苦労したり、なかなか思うように弾けなくて、もどかしい時間が続いたり。「音が合った!」っていう瞬間もあるけど、それまでには時間がかかります。毎回の練習が劇的な成長につながるわけではなくて、小さな積み重ねの連続です。
人間関係も、理想通りにはいきません。メンバー間の温度差があったり、スケジュールが合わなかったり、意見が合わずにギクシャクしたり。すぐに仲良くなれるわけでもないし、ずっと仲良しでいられるわけでもない。時には、誰かが辞めてしまうこともあります。
それに、ライブに出ても、お客さんがたくさん来るとは限りません。身内だけだったり、自分たちの演奏に反応がなかったり、「盛り上がらなかったな」って落ち込むこともあります。毎回のライブが成功するわけではなくて、うまくいかなかった経験の方が記憶に残っていたりします。
アニメや漫画で描かれるような「劇的な瞬間」は、そんなに頻繁には起きないんですよね。むしろ、うまくいかないことの方が多かったりします。
でも、それが「つまらない」とか「無駄」っていうわけではないんです。地味で、うまくいかなくて、思い通りにならない。そういう時間も含めて、軽音部の現実です。むしろ、そういう時間があるからこそ、音が合った瞬間や、ライブがうまくいったときの喜びが大きくなる。現実は理想とは違うけれど、そこには確かに価値があります。
「アニメに憧れて軽音部に入るのって、どうなんだろう」って不安になる人もいるかもしれません。「現実を知らないまま入って、がっかりするんじゃないか」とか、「アニメがきっかけだと馬鹿にされるんじゃないか」とか。
結論から言うと、全然アリです。
きっかけは何でもいいんです。アニメを見て「かっこいい」と思った、漫画を読んで「自分もやってみたい」と感じた。それは立派な動機です。友達に誘われたから、楽器がかっこいいと思ったから、学祭のライブを見て憧れたから。どんな理由で始めても、そこに優劣はありません。
むしろ、アニメや漫画に描かれた音楽の世界に憧れたこと自体が、すでに音楽との出会いなんですよね。作品を通じて、音楽の魅力を感じた。それは、何かを始めるのに十分な理由だと思います。
もちろん、入ってみたら「思ってたのと違う」って感じることもあるかもしれません。でも、それは誰にでもあることです。アニメがきっかけだろうと、友達に誘われたからだろうと、「違う」と感じる瞬間は誰にでも訪れます。大事なのは、その違いをどう受け止めるか、そこからどう楽しむかです。
実際、軽音部に入っている人の中には、アニメや漫画がきっかけだった人もたくさんいます。『けいおん!』を見て軽音部に入った人、『BECK』を読んでギターを始めた人。そういう話はよく聞きます。
大事なのは、「きっかけが何か」じゃなくて、「入ってみてどう感じるか」「続けたいと思えるか」なんじゃないでしょうか。
アニメや漫画は、あくまできっかけ。そこから先の体験は、自分自身のものです。憧れを大切にしながら、自分なりの軽音部での時間を作っていけばいい。それでいいんだと思います。
ここでは、軽音部やバンドを題材にした作品をいくつか紹介してみます。それぞれの作品が持つ魅力や、どんな軽音部像が描かれているのか、現実との距離感についても触れてみたいと思います。
The Third GlowのShunとYuが深く影響を受けた作品です。
『BECK』は、音楽と出会った少年がバンド活動を通して成長していく姿を描いた、王道にして最高峰の音楽マンガです。冴えない中学生だった主人公・コユキが、天才ギタリスト・竜介との出会いをきっかけにバンド「BECK」に加入し、仲間とともに音楽の世界へ踏み出していく。その過程が、リアルな温度感で描かれています。
本作の最大の魅力は、ライブの熱量や音の迫力が”聞こえてくるように感じられる描写力”です。漫画でありながら、ギターの歪み、ドラムの重さ、観客のざわめきまで想像できる表現は圧巻。演奏シーンを読んでいると、本当に音楽が鳴り響いているような感覚になります。
また、友情や成功だけでなく、バンド活動のリアルな側面もしっかり描かれている点が特徴です。メンバー同士の衝突、実力差への焦り、思うように評価されない苦悩。そうした泥臭い部分も含めて、バンドをやることの意味が描かれています。理想だけで終わらないからこそ、物語に深みがあります。
洋楽やロック文化、名盤ジャケットのオマージュ、有名な機材が登場するのも見どころ。音楽好きには「わかる」と思える要素がたくさん詰まっていて、読んでいるうちに「この曲聴いてみたい」「このギター弾いてみたい」という気持ちが湧いてきます。
「アニメや漫画に憧れて軽音部に入ったけど、現実は甘くなかった」。そんな経験がある人ほど、心に刺さる一作です。理想と現実の両方を描いているからこそ、共感できる部分が多いんですよね。
BECKのおすすめポイント
音楽マンガを語るなら、まず外せない一冊。憧れと現実、その両方を知りたい人に強くおすすめです。
『THE BAND』は、『BECK』で知られるハロルド作石が手がける、名古屋を舞台にした新世代の青春バンドマンガです。
孤独を抱えた少年がギターと出会い、仲間とバンドを組み、音楽を通じて世界と向き合っていく。そんな王道の骨格を持ちながらも、「今の時代のバンドとは何か」を問い直す意欲作となっています。SNSやストリーミング、配信ライブといった現代の音楽環境も自然に取り入れながら、それでも変わらない音楽への情熱が描かれています。
物語の魅力のひとつは、圧倒的なリアリティを誇る楽器・演奏描写です。ギターの構造や音のニュアンス、ライブハウスの空気感まで丁寧に描かれており、音楽好き・ギターマニアの間でも高い評価を受けています。実際に楽器を弾いている人なら、「わかる」と思える細かい描写がたくさんあります。
また、東京や大阪ではなく名古屋という都市を舞台にしている点も本作ならでは。街の空気感や距離感が物語に独特のリアリティを与え、登場人物たちの葛藤や成長をより身近に感じさせてくれます。地方都市でバンドをやることの難しさや、それでも音楽を続ける意味が描かれています。
序盤は『BECK』を彷彿とさせる展開もありつつ、物語が進むにつれて、既存の「バンド漫画の型」から一歩踏み出し、新しいロックの形を模索していく点が大きな特徴です。懐かしさと新しさが同居する、令和ならではのバンドストーリーと言えるでしょう。
THE BANDのおすすめポイント
『BECK』が刺さった人には、間違いなく読んでほしい一作。あの熱量を知っているからこそ楽しめる、”今の時代のバンド漫画”です。
『ふつうの軽音部』は、特別な才能も大きな夢も持たない「普通」の高校生・鳩野ちひろが、渋めの邦ロック好きという一点をきっかけに軽音部へ入部し、仲間たちとバンド活動を経験していく物語です。
本作が描くのは、『けいおん!』や『ぼっち・ざ・ろっく!』のようなキラキラした成功譚ではありません。むしろ中心にあるのは、人間関係の面倒くささ、気まずさ、自意識、すれ違い。軽音部に入ったことがきっかけで生まれるリアルな悩みや衝突が、非常に等身大の温度感で描かれています。「軽音部って楽しいだけじゃないよね」と思ったことがある人には、共感できる場面がたくさんあるはずです。
舞台は大阪。何気ない日常風景や会話のテンポが物語に独特の生活感を与え、「本当にどこかの高校にありそうな軽音部」と感じさせてくれる点も大きな魅力です。関西弁の自然な掛け合いや、大阪の街の空気感が、作品にリアリティを加えています。
また、「普通」を掲げながらも物語は決して単調ではなく、序盤でのバンド解散など、予想を裏切るドラマチックな展開が随所に用意されています。個性豊かな部員たちの関係性が絡み合い、青春群像劇としての読み応えも十分です。
メジャーデビューや成功といった大きな目標ではなく、目の前の小さな達成や感情の揺れを丁寧に描いている点が、本作を唯一無二の軽音マンガにしています。「上手くなりたい」よりも「この仲間と音楽をやりたい」という気持ちが、物語の軸になっています。
ふつうの軽音部のおすすめポイント
軽音部の”楽しいところ”も”しんどいところ”も知りたい人におすすめ。憧れよりもリアルに寄り添う、今の時代ならではの軽音マンガです。
余談ですが、Shunが特に好きだと言っているのが、主人公・鳩野ちひろがa flood of circle「理由なき反抗(The Rebel Age)」を歌うシーンです。
『けいおん!』は、かきふらい原作の4コマ漫画で、楽器未経験の女子高生・平沢唯が軽音部に入部し、仲間たちと”まったり”部活動を楽しむ日常を描いた作品です。
音楽マンガでありながら、物語の中心にあるのは演奏や上達よりも、友達との時間・空気感・放課後のゆるやかな日常。軽音部マンガの中でも、ひときわ異彩を放つ存在です。「バンドをやる」というより「軽音部という場所で仲間と過ごす」ことに重きを置いた作品と言えるでしょう。
唯・律・澪・紬の4人が結成するバンド「放課後ティータイム」は、練習よりもお茶、お菓子、雑談が優先。それでも学園祭や合宿などのイベントを通して、少しずつ音楽と向き合い、仲間との絆を深めていく姿が描かれます。真剣に練習するシーンももちろんありますが、それ以上に日常の温かさが印象に残る作品です。
本作は、いわゆる「努力・挫折・成功」を強調するタイプの軽音マンガではありません。その代わりに、「部活って、こういうのでいいよね」と思わせてくれる安心感と居心地の良さがあります。肩の力を抜いて、音楽を楽しむ。そんな軽音部の姿が、多くの人に受け入れられました。
また、アニメ版の影響力も非常に大きく、京都アニメーションによる高品質な映像表現と、実際に”曲として成立している”楽曲の数々が社会現象的ヒットを生みました。劇中曲は、初心者でも挑戦しやすいものから、意外と難易度が高く練習しがいのあるものまで幅が広く、演奏してみる・弾いてみた動画を見るといった楽しみ方ができるのも魅力です。「この曲、コピーしてみたい」と思わせる力があります。
けいおん!のおすすめポイント
「上手くなりたい」より「楽しく続けたい」人に刺さる一作。軽音部に憧れる入口としても、肩の力を抜いて読める作品です。
『ぼっち・ざ・ろっく!』は、極度の人見知りでネガティブ思考な女子高生・後藤ひとり(通称:ぼっちちゃん)が、ガールズバンド「結束バンド」に加入し、音楽と仲間を通して少しずつ成長していく物語です。
原作は4コマ漫画ながら、軽音部・バンド活動のリアルさと、現代的なメンタリティを鋭く描いた作品として大きな支持を集めています。SNSでの反応や、配信での活動、動画投稿といった今の時代ならではの要素も自然に取り入れられています。
本作の最大の魅力は、「軽音部に憧れはあるけど、人付き合いが不安」という、多くの初心者が抱える感情を、ギャグとシリアスの両面から描いている点です。ぼっちちゃんの妄想・自己否定・暴走思考は誇張されつつも、「わかりすぎる…」と感じる人が続出しました。コミュ障だけど音楽は好き、という葛藤に共感できる人は多いはずです。
アニメ版では、原作のテンポ感に加えて、妄想シーンの崩壊演出や大胆なデフォルメ表現が導入され、キャラクターの内面が視覚的に爆発する演出が大きな話題になりました。コメディとしての面白さが飛躍的に高まりつつ、音楽シーンは逆に非常にリアルに描かれています。ライブの臨場感や、観客の反応、ステージ上での緊張感が、丁寧に表現されています。
また、作中バンド「結束バンド」の楽曲は、プロのミュージシャンが制作に関わっており、アニメ発とは思えないクオリティの高さも特徴です。曲として普通に聴けるのはもちろん、初心者が挑戦しやすいフレーズから、意外と歯ごたえのあるパートまであり、「練習してみる」「弾いてみた動画を見る」といった楽しみ方にもつながっています。
ぼっち・ざ・ろっく!のおすすめポイント
「軽音部に興味はあるけど不安が勝つ」人にこそ刺さる一作。笑って共感しながら、音楽への一歩を踏み出したくなる軽音マンガです。
『BLUE GIANT』は、ジャズに魅せられた青年・宮本大が「世界一のジャズプレイヤー」を目指し、ひたすら前へ進み続ける青春音楽マンガです。
軽音部やロックバンドを題材にした作品ではありませんが、音楽に出会い、人生が変わっていく過程という点では、軽音マンガと強く地続きの存在と言えます。「音楽をやる」ことの意味を、正面から描いた作品です。
本作最大の特徴は、「音が聞こえる」と評される圧倒的な表現力です。楽譜が読めなくても、ジャズを知らなくても、主人公・大がサックスを吹く「音の熱量」が、観客の反応、空気の震え、コマ割りや表情を通して、読者の想像力に直接叩きつけられます。演奏シーンを読んでいると、本当に音楽が鳴り響いているような感覚になります。
物語は、仙台での出会いから始まり、東京、ヨーロッパ、アメリカへと舞台を移しながらスケールアップしていきます。その過程で描かれるのは、才能への焦り、仲間との衝突、努力が報われない苦しさといった、極めて泥臭く、真剣な人間ドラマです。理想だけでは生きていけない現実と、それでも音楽を続ける覚悟が描かれています。
特に印象的なのは、宮本大の姿勢です。才能や理論よりも、「誰よりも音楽に向き合う時間」と「覚悟」で突き進む姿は、楽器経験者でなくても胸を打たれます。「音楽をやる」ということの本質が、この作品には詰まっています。
また、2023年公開のアニメ映画では、原作・東京編をベースに、上原ひろみが手がけた音楽と映画館の音響によって、漫画で想像していた”音”が現実の体験として鳴り響く作品として大きな話題を呼びました。
BLUE GIANTのおすすめポイント
「音楽を続けるとはどういうことか」を真正面から描いた一作。軽音部マンガを読んできた人にこそ、その先にある”覚悟の物語”として読んでほしい作品です。
軽音部がメインではないけれど、音楽好きに刺さる作品もあります。
『SKET DANCE』は、学園生活支援部「スケット団」が生徒たちの悩みを解決していく、基本はギャグ、時々シリアスな学園コメディです。
物語の主軸は音楽やバンド活動ではありません。でも、「学園祭でのバンド演奏」のシーンがあり、軽音部や学園祭ライブに憧れる人の心を強く揺さぶる、非常に印象的なエピソードがあります。
それが、学園祭で演奏されるthe pillows「Funny Bunny」のシーンです。
このシーンが特別なのは、「上手い演奏」や「成功体験」を描いているからではありません。むしろ描かれているのは、不器用で、まっすぐで、どうしようもなく青春な衝動です。そうした感情が、一曲のロックに乗って爆発する瞬間が描かれています。
『Funny Bunny』という楽曲自体が持つ、背中を押す力、切なさ、前に進もうとする衝動と、キャラクターたちの想いが完璧に重なり合い、「この曲じゃなきゃダメだった」と感じさせる説得力を生んでいます。
この「Funny Bunny」は、主にカイメイ・ロック・フェスティバル(カイロフェス)編でフィーチャーされます。主人公のボッスン(藤崎佑助)がベースを弾きながら、仲間との絆や感謝、そして切ない心情を歌い上げる、感動的でエモーショナルなシーンです。the pillowsの楽曲「Funny Bunny」の歌詞が作中で重要な意味を持ち、スケット団の3人(ボッスン、ヒメコ、スイッチ)の友情や、彼らを支える人々への感謝が込められた、涙なしには見られない名場面となっています。
この回で、初めてthe pillowsを知った人、学園祭でバンドをやりたくなったという声も多く、軽音部経験者の記憶に深く刻まれている名場面です。
ちなみにShunは、the pillowsをきっかけに『SKET DANCE』を知った側だそうです。
SKET DANCE(音楽シーン)のおすすめポイント
「軽音部に入った理由を思い出させてくれる」一曲がある。『SKET DANCE』は、そんな音楽との出会いを描いた、隠れた名作青春マンガです。
アニメや漫画に描かれる軽音部は、理想化された世界です。でも、その理想があるから、一歩踏み出せる人もいます。憧れることは、悪いことじゃない。むしろ、何かを始めるための大切なエネルギーです。
実際の軽音部は、もっと地味で、うまくいかないことも多いです。練習は地道だし、すぐに上達するわけでもないし、人間関係にも悩むかもしれません。思い描いていた理想とは違う現実に、戸惑うこともあるでしょう。
でも、ここで大切にしてほしいのは、「あなた自身の体験や時間、出会いにも等しくドラマがある」ということです。
アニメや漫画のような劇的な瞬間がなくても、自分なりの小さな成功体験はあります。音が合った瞬間、初めてのライブ、仲間と笑い合った時間、練習で少しだけ弾けるようになったフレーズ。そういう瞬間は、誰かが作ったストーリーと同じくらい、価値があります。
アニメや漫画は、理想の世界を見せてくれます。でも、それと比べて「自分の現実はつまらない」って思う必要はないんです。理想は理想として楽しみながら、自分の現実も大切にする。両方があっていいんじゃないでしょうか。
あなたが体験する時間、出会う人、感じる気持ち。それは、あなただけのストーリーです。それを大切にしてほしいと思います。誰かと比べる必要もないし、理想と違うからといって諦める必要もない。自分なりの形で、音楽と向き合っていけばいい。
軽音部やサークルは、「上手くなる場所」というより、「体験する場所」なんじゃないかと思います。
楽器を弾いてみる、仲間と音を合わせてみる、ライブに出てみる。そういう体験そのものに意味があって、「上手くなること」は、その結果としてついてくるものです。最初から上手い人なんていないし、失敗しながら少しずつ進んでいく。それが当たり前です。
アニメや漫画に描かれるような「成功」を目指す必要はありません。むしろ、うまくいかなかった時間、迷った瞬間、失敗した経験。そういうものも含めて、軽音部での体験です。すべてが意味のある時間になります。
「体験する」ということは、正解があるわけでも、ゴールがあるわけでもありません。ただ、その時間を過ごして、何かを感じて、少しずつ自分が変わっていく。それが、軽音部での時間なんじゃないでしょうか。
アニメや漫画のような理想を追いかけるのもいいし、自分のペースで楽しむのもいい。どちらも、正しい向き合い方です。大事なのは、自分がどう感じるか、どう楽しみたいか。それを大切にすることだと思います。
軽音部を題材にしたアニメや漫画は、理想化された世界を描いています。でも、その理想があるから、「やってみたい」と思える。憧れることは、何かを始める大きなきっかけになります。
実際の軽音部は、アニメや漫画で描かれるほどドラマティックではないかもしれません。地味で、うまくいかないことも多いです。理想とは違う現実に、戸惑うこともあるでしょう。
でも、それは「つまらない」とか「意味がない」ということではありません。あなたが体験する時間、出会う人、感じる気持ち。それは、誰かが作ったストーリーと同じくらい、価値があります。
アニメや漫画に憧れたこと自体が、すでに音楽との出会いです。その気持ちを大切にして、一歩踏み出してみる。そこから先の体験は、自分自身のものです。理想と現実は違うかもしれないけれど、その違いも含めて、自分なりの楽しみ方を見つけていけばいい。
軽音部は「上手くなる場所」より「体験する場所」です。成功も失敗も、すべてが自分だけのストーリーになります。
アニメはきっかけです。でも、答えは自分の中にあります。
「やってみたい」と思ったら、その気持ちを信じて、一歩踏み出してみてください。あなたの人生にも、等しく尊いストーリーが待っていると思います。
大阪を拠点に活動する、社会人ロックバンド The Third Glow のスタッフです。
社会人になっても音楽を続けたい方や、バンド初心者の方に向けて、スタッフ目線でコラムを発信しています。
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